初回セッションの理論を説明をした動画(旧)
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https://www.youtube.com/watch?v=vKSiOmpZ5N0
初回セッションの理論を説明をした動画(新)
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https://youtu.be/T785PpaLKrU
【用語解説】
【異常性】
【主導権】
【彼女ストーリー】
彼女の人生での大きな選択を時系列で把握するものである。
具体的には、引越・就職・転職・恋愛・留学・新しく始めたことや辞めたことなどである。これはいわば彼女史であり、彼女の価値観が色濃く反映される。
【彼女像】
彼女の価値観の体系であり、彼女の静的情報(会話内容、考え方etc)と動的情報(反応反射、振る舞い、口癖etc)の双方から推察し把握するものである。
具体的には、以下のような価値観の集合が挙げられる。
例1「特別な存在でありたい、自由、未知を知りたい、エネルギー、居心地の良さ」
例2「刹那的、情熱的、めんどくさいことは嫌い、大雑把、自由、温かさ」
例3「感情を味わうことが人生、マイペース、感情に流されることにも意味がある、現状に埋もれて今世を諦めるつもりはない」
例4「他力本願、構ってちゃん、不幸が好き、依存体質、惰性、港区疲れ、人間不信」
彼女の価値観を表すキーワード(形容詞)の集合が彼女像である。
【現在熱量】
現在熱量は2つに大別される。
・負の現在熱量(ネガティブな悩みの方向性etc)
彼女ストーリーと彼女像をすり合わせて初めて見えてくる、彼女が現在直面している重要なトピックである。
鼻の先となっていて言語化、意識化されておらず、認識できていないトピック。
一般的な共感では、仕事・恋愛(失恋)・人生・人間関係・家族などについて、深堀りして深みがありそうな話に展開していく。
しかし、それが彼女にとって重要なトピックであればあるほど、近しい友人や家族に相談され尽くしており、整理された過去となっていることが多い。
すると、そのトピックに対して共感しても、彼女をよく知る友人や家族にすでに深く共感されているので、耐性ができてしまっている。
そのトピックはすでに様々な人々にこすられて慣れてしまっているのだ。
そうなると、過去熱量(レッドオーシャントピック)に対する共感の効果は限定的になる。
これが、「彼女の過去にしっかり共感できたはずなのに、なぜかあまり共感が刺さらなかった」、という現象のメカニズムである。
例外的に、過去熱量へのアプローチで彼女の感情を閾値に持っていくことができるのは、今までされたことない深度と角度での共感である。
つまり、彼女のことをよく知る友人や家族からされた共感と差別化した共感をする必要があるのだ。
初見で差別化した共感をする難易度は非常に高い。
重要なのは、そうした過去を経て、今現在彼女が直面している現在熱量(ブルーオーシャントピック)の方である。
・正の現在熱量(ポジティブに楽しみたい方向性etc)
特に正の現在熱量は万能に機能する。
「楽しませる」という恋愛理論の定石が機能するのはこのためだ。
正の熱量について解説しよう。
そもそも、「退屈」という状態が、人類が直面する死の次に大きな脅威と言える。
犯罪者を刑務所にぶち込むことの本質は、犯罪者の時間を奪うことではない。
自由と楽しみを奪うことで、彼らに退屈を与えることにある。
一瞬で刑期を終え、年だけ取って刑務所から出られたらどれだけ楽だろう。
退屈を味合わせることが刑の意味である。
生存・生活の安定を確保した後に、人類が希求するのがエンタメ(=非日常、異常)だ。
退屈という脅威を乗り越えるためである。
平安時代の貴族たちが日本を平定し安定を享受した後、必ずしていたことが不倫である。
その不倫ドラマが「枕草子」や「源氏物語」として描かれている。
月の光を頼りに人妻のもとに夜這いするというストーリーが本筋である。
さて、エンタメには、映画・ゲーム・音楽・趣味・アフヌン・旅行などの一般的なものから、
男遊び、合コン、バー通い、ホスト通い、推し活などの恋愛感情をくすぐるものまで挙げられる。
女の課金先を見れば、彼女たちが価値を感じているものが一目瞭然となる。
抽象度を高めれば、価値を感じているからこそお金と時間を使うのである。
上記の例のように金をかけてでもやりたいことこそがエンタメである。
そして、彼女たちにとって、最も大きなエンタメこそが不確定要素に満ちた「恋愛」である。
女はなぜ綺麗になりたがるのか?
化粧、ファッション、整形、ブランドになぜ課金するのか?
それは恋愛というエンタメを楽しみたいからだ。
これらの消費活動は手段の一つでしかなく、エンタメとしての恋愛を楽しむという目的に紐ついている。
したがって、彼女たちが大きな価値を感じる恋愛というエンタメにおいてワクワク・ドキドキを与えられる男の魅力(=価値、有能さ)は極めて高い。
退屈という脅威から救ってくれる存在だからだ。
選択肢を数多く持つハイスペ男性ですら、恋愛というエンタメをなかなか提供できない。
アフタヌーンティー、予約困難料理店、ディズニーランド、海外旅行にただ単に連れて行っただけではエンタメには繋がらない。
その体験を媒介にして、エンタメに昇華させる(=楽しませる)ことができなければエンタメにはならない。
夜職女子が痛客や港区オジとそうした体験をしても楽しくないというのは、体験がエンタメに昇華されていないからだ。
ただ単に体験を提供されただけ。
彼女たちにとって、「どこに行くかより誰と行くか」、「何をするかより誰とするか」の方が100倍重要である。
目的は、体験そのものではなく、エンタメ体験をすることだからである。
「俺と一緒にいたらマクドナルドだってディズニーランドより楽しいよ」といったマインドが大切なのはこのためである。
正の現在熱量とは、そんな彼女の退屈をエンタメで満たすことで対応するものである。
だからこそ、退屈な繰り返しの日々に埋もれた彼女たちの日常を彩る非日常を提供する必要がある。
エンタメとは非日常である。
そして、非日常とは日常とは異なるという点で、異常なのである。
異常は退屈さを超克する。
異常とは極めて価値の高い有能さであり、彼女の脅威を回避する資質なのである。
したがって、反応反射レベルでの異常性に加え、異常な存在であることに極めて価値がある。
【興味の発生原理】
枠外から枠内に入るために、異常性の積み重ねで興味付けをすることは重要である。
では、興味(≒好奇心、疑問、関心)はそもそもなぜ発生するのか?
この根本的理解が欠かせない。
ここでは、興味の発生原理を脅威の回避という魅力の基本原則に則って解説する。
未知(可能性の未実現と実現の未確立)とは人類の脅威そのものである。
自らでコントロールできないものは脅威となりうるからだ。
人類の歴史を紐解くと、脅威を回避するために、未知を発見し、既知となったものを支配しようと試みてきた。
言い換えれば、What(何)を発見し、Why(なぜ)を追求することで、人類は自身がコントロールできる範囲を拡張してきた。
例えば、科学とはWhatとWhyの蓄積である。
ただ単に、新しい事象を観測(発見)しただけでは、コントロールできない。
その事象が発生するメカニズムを理解することで初めてコントロール可能となる。
そのために科学は発見と理解の両輪で発展してきた。
種の存続に有利なように人類はプログラミングされている。
つまり、種が生存するための発見と理解が誘発される仕組みとして、興味が発生するようになっている。
人によって興味を持つ対象は異なるが、興味の本質は脅威からの回避に深いところで紐ついている。
(趣味に対する興味ですら退屈という脅威からの回避である)
ここで、議論をさらに進めるために、発見と理解を以下のような定義に置き換える。
発見=「可能性の実現」=未知を発見すること。
理解=「実現の確立」=既知を未知をすり合わせ、ギャップのメカニズムを理解し、既知を強化すること。
具体例を挙げよう。
-「トップアスリート」
トップアスリートは、これまで蓄積されてきたスポーツ理論の上に、自らの感覚値や体感を重ね合わせ史上最高のパフォーマンスを実現する。
これが可能性を実現する(発見)ということである。
しかし、彼らは感覚値や体感でそれを実現しているために、なぜできているのか言語化できず、そのメカニズムも分かっていない。
そこで、トップアスリートが分析され、彼らのパフォーマンスがなぜ高いのか言語化・理論化されてゆく。
こうして他の選手でもそのパフォーマンスを模倣することができるようになり、再現性が高まっていく。
これが実現の確立(理解)ということである。
この流れが、すでに実現された可能性を、確固たるものとして確立するということである。
未知を発見し既知とする。その既知を理解することで既知を強化しているのだ。
-「凄腕口説き師」
凄腕口説き師も同様に、これまでの恋愛理論の上に、自らの感覚を加えて最高の口説きを体現する。
しかし、彼らは感覚で勝ててしまっているので、自分の口説きがなぜ機能しているのか、なぜ勝てているかが分からない。
つまり、可能性は実現しているが、実現を確立しているわけではない。
未知を発見してはいるが、メカニズムを理解し、既知を強化するまでは至っていない。
そこで、目に見えないコミュニケーションを分析するのが得意なMADのような存在が、凄腕口説き師の口説きの理論化を進め再現性を高めていく。
すでに実現した可能性を確立するものが理論である。
これが発見と理解、可能性の実現と実現の確立である。
ここまでをまとめよう。
脅威を回避するためには、可能性の未実現と実現の未確立を排除する必要がある。
つまり、未確認と不確実性を減らし、支配領域を拡張したい。
そのためには、発見と理解が必要である。
それを誘発するための仕組みとして興味が生まれるように人類はプログラミングされている。
ここからは、「可能性の実現」と「実現の確立」のそれぞれのパターンおいて、どのように興味が発生するか説明していこう。
①可能性の実現(発見)
可能性を実現させるために興味が生まれるパターンである。
人間の四大欲求は、「食欲」「睡眠欲」「性欲」「支配欲」であると言われている。
ここで、支配欲とは未知(可能性の未実現=未確認)という脅威を避けるための、脅威からの回避行動に紐付くものである。
パターン②では既知と未知をすり合わせて、ギャップの原因を理解し、既知を強化することに重きを置いた。
一方、パターン①では未知を発見するということに重きを置く。
例えば、
-命を賭けてまで可能性の実現に固執する人類が存在する。
「なぜ、かつての欧州人は新大陸を発見するために大航海に出たのか?」
「なぜ、人類は宇宙の探索に命を賭すのか?」
それは、未知(可能性の未実現=未確認)が残されていることそのものが脅威となるからである。
だから、未知を発見し、支配することで、脅威を回避する必要があるのである。
-「まだ誰も見ぬ景色を見てみたい」という興味や欲求は、
未知を発見することに喜びを感じるが故に生まれるものである。
-アスリートが前人未到の領域に挑むのも、自身の可能性を実現したがるのも、
「これができたらどんな気分だろう?」、「何が見えるのだろう?」という興味に掻き立てられている。
しかし、これらの背景には、未知を発見することで脅威を回避するという本能的プログラムが駆動していることを忘れてはならない。
未知を発見するために興味は発生する。
未知を発見することは脅威の回避に繋がるからだ。
そして、脅威の回避に繋がることに対して、興味・好奇心・疑問・関心が生まれるように人類はプログラミングされている。
「こんな人会ったことない!」という反応を女がした場合、そこには興味が生まれている。
楽しい、すごい、読めない、意味が分からないという未知との遭遇に心が踊っている。
興味が生まれることによって、
この先に何があるのだろうという未確認なWhatを探し出し、
想定外と予定不調和を発見しようとする。
未知を発見し、可能性と行動を楽しむのが、リスク選好思考であり、行動主義である。
未確認(脅威)を発見することで、不確実性を排除しようとする。
脅威を回避するために発見したい。
ここに興味が発生するのである。
②実現の確立(理解)
すでに実現されたものを確立するために興味が生まれるパターンである。
人は自分の常識とかけ離れた理解できない事象を受け入れることに抵抗を覚える。
既知と未知をすり合わせたときに説明がつかないことは異常であり、脅威となりうるからだ。
その説明がつかないと自身の中の既存の説明体系(既知)が脅かされるためである。
言い換えれば、実現されたはずのものが壊れてしまう。
つまり、実現されたものを確立するため=既存の説明体系を維持するため、
既知と未知のギャップを理解する際に、興味が生まれる仕組みとなっている。
例えば、
-「これまで上手く行っていたはずの恋人が突然そっけなくなった」
この疑問が解消できなければ、二人の関係は安定しているというこれまでの認識(既知)が破壊されてしまう。
これまでの認識を維持するために、「なぜそんな態度を取るようになったのか?」と原因を知りたがる。
原因が分かれば、理由があって一時的にそうなっただけで、これまでの関係性が壊れたわけではないと既存の説明体系を維持することができるためだ。
-「私はモテてきて魅力があるはずなのに、この人は私に興味がないのはなぜ?」
という疑問が解消できなければ、彼女のこれまで信じてきた自分は誰からでもモテるという信念(既知)を疑わざる得なくなる。
なぜ彼は振り向いてくれないのか気になってしまう。また、振り向かせようと追ってしまう。
これは彼女の既存の信念を維持するがための動きである。
売れっ子キャバ嬢に興味ないムーブをして落とせるメカニズムはこれである。
-「これまでは美味しく食べられた米なのに、最近はなぜか食べる度に腹を壊す」
この疑問が解消できなければ、米は美味しい食べ物という説明体系(既知)が崩壊し、有毒な食べ物として認識せざる得なくなる。
胃腸の病気になったのではないかと病院に行くが、これは原因となる病気を特定することで因果関係を把握し、
米は美味しい食べ物であるという説明体系を維持したいがための行動である。
病気を特定することで安心するのは、それが一時的な状態であり、原因が解消されれば、またもとの健康状態に戻れるという信念(既知)を維持できるからである。
つまり、既知と未知のギャップを埋めるため、興味・好奇心・疑問・関心を抱くように人類はプログラムされている。
既知と未知のギャップを埋めることが脅威からの回避につながるから興味が生まれる。
既知と未知のギャップを解消し、すでにある既存の説明体系(既知)を強化することが、すでに実現されたものを確立するという意味であり、
脅威からの回避に直結する。
ドラクエを全クリして、ゲームの全てを既知とした時、ゲーマーはそのゲームに対して興味を失う。
恋人と長く一緒にいて、彼氏彼女の行動が全て予測可能な範囲に収まるようになった時、彼らは互いに興味を失う。
既知と未知のギャップがなくなり、全てが既知となってしまえば興味を失うのだ。
そこに脅威はなくなるからである。
逆に、既知と未知にギャップがある限り興味は続くとも言える。
そこに脅威が残存されているからだ。
興味が生まれることによって、
「◯◯にも関わらず、△△!?」という不確実なWhy(なぜ)に対する答えを探し出し、
想定内、予定調和に収めようとする。
これは脅威からの回避行動に他ならない。
未知を受け入れず、すべてを予定調和の中に収めようとするのが、リスク回避思考であり、完璧主義である。
不確実性(脅威)を許容できないからこそ、不確実性を排除しようとする。
不確実性を排除するプロセスにおいて、事象の背景にあるメカニズムを理解しようとする。
脅威を回避するために理解したい。
ここに興味が発生するのである。
結論、
興味の発生原理を押さえた上で口説きに転用するならば、
・「今まで会ったことない!あなた何者?」(What)
・「〇〇に見えるにも関わらず△△?どうして?」(Why)
という異常性を出すことが興味に繋がるという話。
【関係構築】
口説きの最終目的は関係構築にある。
枠内の動きでクロージングまで持ち込むには関係構築が必須である。
ブランディングですら、関係構築をするための下準備に過ぎない。
全ては関係構築をするための前段に過ぎない。
関係構築にまで結びつけなければ、材料を下ごしらえだけして料理しないのと同じである。
ここから、口説きの最終目的である関係構築について解説する。
まず、我々の認識は曖昧であるということを理解しなければならない。
物理的状況として経験している出来事であっても、それが言語化され意識化されないと認識されない出来事がたくさんある。
例えば、自分の鼻の先端はたしかに誰の視界の中にも入っているし、起きている時は常に視界の中に存在している。
しかし、指摘されて、言語化・意識化されるまでは当人に認識されることはない。
これと同様に、男の価値も二人の関係性も目の前に存在はしているが、相手に認識されるまで存在しないのと同義である。
存在はしているが、認知はされていないからだ。
だからこそ、価値と関係性は認識させることが重要である。
プレイング(全ての言動)の目的が、ブランディングと関係構築に紐ついているという説明はこれを背景としている。
ここでは関係について焦点を当てよう。
二人の間の関係性は曖昧な状態としてすでに存在はしているが、意識化されるまで認識されないことが多々ある。
例えば、
仲睦まじい高校生の男女がいたとする。
毎日ランチを一緒に食べて、放課後に一緒に帰ったり、スタバで一緒に宿題をするような間柄である。
しかし、その二人に付き合っているという認識はない。
付き合っているのと同等の行動は取っているが、関係性が明確化されていないからだ。
なんとなく好意はあって友達以上の人という認識だろう。
そんな時、周りのクラスメートから、
「あの二人いい感じじゃんw」「ラブラブじゃんw」などとはやし立てられることで、
二人が男女の関係を意識し始めてしまい、実際に付き合ってしまうことがよくある。
この事例が示唆することは、先立つ行動が実際に存在しても、関係性は認識されるまで存在しないのと同義であるということである。
関係性は認識させることが重要なのである。
では、関係性は何で定義されるか?
関係性は「相手からの要求従属度合い」のみで定義される。
相手からの要求を受け入れる度合いが深ければ深いほど関係は深く、浅ければ浅いほど関係は浅いという意味である。
例えば、
手を繋いでしまったということは、それだけの深さの関係性である。
何度もデートをしているということは、それだけの深さの関係性である。
キスをしてしまったということは、それだけの深さの関係性である。
セックスを受け入れてしまったということは、それだけの深さの関係性である。(認知的不協和論におけるセックストリガー)
これらの事例は、相手からの要求に従ってしまった(従属してしまった)ということは、
それに応じた深さの関係性であると当人が「あとづけ」で認識することを示している。
つまり、関係に先立つ行動があってはじめて、あとづけ的に関係性が認識されるのである。
そして、一旦そこまでの関係性が成立すると、その関係性を前提にして行動が行われるようになる。
少し話は逸れるが、
何の上下関係もない男女が無人島に漂着した事例を考えてみよう。
互いに何の背景情報もなく赤の他人同士の集団において、根拠もなくリーダーシップを取り始める男が現れる。
リーダーになりえる立場的根拠がないにも関わらず、彼はでしゃばってリーダーシップを取る行動を起こす。
ここで、彼の行動が集団に受け入れられた場合、彼が実質的なリーダーとなり、リーダーとフォロワーという集団における関係が成立し始める。
そして、リーダー的な行動とフォロワー的な行動が取られると、その集団におけるリーダーとフォロワーの関係性が強化される。
今度は、その関係性を前提として、リーダー的行動とフォロワー的行動が再生産されるようになる。
つまり、関係性が成立する初動では行動が先立つ。そして、成立した関係を根拠に行動が再生産される。
二人の関係性に話を戻す。
ここで重要なのは、二人の関係性をさらに進展させる(=要求従属の度合いを深める)際に、その初動では常に行動が先立つということである。
つまり、デートを何度か重ねてセックスする手前の関係性まではすでに成立している場合があるが、その関係性を前提にしていてはセックスまでは踏み込めない。
その関係性が担保するのはセックスをする手前までの行動だからだ。
セックスを受け入れさせるという既成事実を以て、はじめてセックスする関係へと深まっていく。
換言すれば、自分と相手の間に境界線があるとしたら、行動を受け入れさせ、その境界線を相手側に押し込むことではじめてその関係性が成立するということである。
セックスする手前の関係性はセックスする手前までの行動の前提とはなるが、セックスする前提とはなり得ない。
関係性に先立つセックスするという行動を相手に受け入れさせ、境界線を押し込んだという既成事実を以てはじめてセックスする関係性が成立する。
(なお、このメカニズムを加害性、加害のエスカレーションと表現をする発信者もいる。)
つまり、関係構築とは、
先立つ行動を相手に受け入れさせ、その既成事実を以て、あとづけ的に二人の関係性が認識される事象を意味している。
関係性をさらに深める場合、常に行動が先で関係性があとづけ的に成立するのである。
そして、一旦関係性が成立したら、その関係性を前提に、その関係性が許す範囲で当人たちの行動が担保されるようになる。
相手に踏み込むこと自体が関係性を深め(=加害性)、踏み込まなければこれまでの関係性のまま停滞するということである。
さて、ここから関係構築という概念を口説きに転用する。
冒頭で説明した通り、我々の関係性に対する認識は曖昧である。
要求従属の度合いによって関係性があとづけ的に認識されると説明したが、そもそも要求に従属したという事実が明確に認識されている場合は少ない。
要求に従っているという出来事は、言語化・意識化しなければ認識されないからだ。
なんとなく行動しているが、その行動をしている事実が何を意味しているのかを理解していないということだ。
上記を念頭に置くと、関係構築で重要なのは以下の2stepとなる。
①関係認識に先立つ事実を作る
②先立つ事実を関係に紐つけて認識させる(関係認識トーク)
それぞれ説明しよう。
①関係認識に先立つ事実を作る
基本的な考え方は、「〇〇してしまったということは△△な関係性である」ということを認識させるため、
先立つ事実である〇〇を今この場で作るということである。
以下が◯◯の具体的なプレイング例である。
-「共感」
ここまでプライベートでパーソナルな深い話を互いにしてしまっているという事実は、この人とは他の人とは違う特別な関係であると認識させるための先立つ事実となる。究極の理解者はこのポジションを取っている。
サシアポで共感が機能しやすいと言われているのは、サシアポにおいては静的情報を入手しやすく、それに基づき共感することで、関係認識に先立つ事実を作りやすいから。
非常に重要なことは、共感は関係認識に先立つ事実を作るための手段の一つに過ぎないということである。
-「哲学」
ここまでこちらの哲学に同調してしまっているという事実は、この人とは他の人とは違う特別な関係であると認識させるための先立つ事実となる。
-「唯一無二褒め」
ここまで私の深いところを理解してくれてるってことは、この人とは他の人とは違う特別な関係であると認識させるための先立つ事実となる。
他の男が見ることのできない彼女の内面の深いところを見て褒めるのが機能するのはこのため。
存在肯定や彼女の負の現在熱量からの救いにも繋がる。
-「共通体験」
共に楽しむ、共に悲しむ、共に喜ぶ、共に怒る、共に成功する、共に失敗することを通じて、ここまでの共通体験があるという事実は、この人とは他の人とは違う特別な関係であると認識させるための先立つ事実となる。
楽しませが有効なのは、こんなに楽しくて素の自分を出せてしまっているということは、この人とは他の人とは違う特別な関係であると認識されやすいから。
-「共通点」
ここまで深い価値観が共通してしまっているという事実は、この人とは他の人とは違う特別な関係であると認識させるための先立つ事実となる。
深い価値観や夜職に対する同属証明が有効なのもこの原理。
-「共通敵(仮想敵)」
ここまで共通敵を共にディスってしまっているという事実は、この人とは他の人とは違う特別な関係であると認識させるための先立つ事実となる。
部活で宿敵チームと対戦する時、サッカーや野球の日韓戦の時には、共通敵が一致するのでチームが一致団結する。
周りにothers(敵)がいる中で、us(仲間)という関係性が顕著に見える化されるためこの認識が起こりやすくなる。
-「暴露/秘密の共有」
決して見抜かれない彼女の真実が見抜かれてしまったという事実は、この人とは他の人とは違う特別な関係であると認識させるための先立つ事実となる。
究極の理解者としてこのポジションを取る場合もある。
コールドリーディングが有効なのもこの原理から。
上記の全ての例は境界線を相手側に押し込む行為であり、加害性としての性質を有している。
②先立つ事実を関係に紐つけて認識させる(関係認識トーク)
先立つ事実を作るだけでは不十分である。
「◯◯な事実があるということは△△な関係である」ということまで意識化させる必要がある。
意識化させるのが目的であるので、その手段は言語でも非言語でも構わない。
関係を意識化させ、認識させればそれでよい。
以下では関係認識に先立つ事実に対し、どのような関係認識トークを当てるのか具体例を紹介する。
ここで重要なのは、間接的にナチュラルに関係認識トークをする必要があるということである。
「俺達フィーリング合うね!」といった直接的な関係認識トークは気持ち悪いので注意が必要である。
また、頻度多く使ってしまっても不自然になるので、関係認識トークも用法用量が大事である。
-共感、哲学、唯一無二褒め、暴露/秘密の共有
「なんか、生き方とか価値観とか深い話をする機会は普段ないし、分かってくれそうもない人に話そうとも思わない。でも、なぜか〇〇には哲学みたいな深い話をしてしまっている。自分でも不思議なくらい。〇〇は打てば響く人だから。投げたボールをちゃんとキャッチしてくれてちゃんと返してくれる。言葉でのやり取りだけでなく、ちゃんと気持ちが乗っているコミュニケーションをしてるって感じてる。人としての厚みを感じるよ。」
→深い話をしているという事実を意識化し、特別な関係であると認識させることを誘発している
-共通体験
「さっきまでロボットみたいに表情が引きつっていたのに今はあどけない少女みたいな笑顔してるw」
「最初は面接での話し方みたいだったのに、今は幼馴染と話してるみたいにタメ語で話してくるやんやんw」
→彼女がリラックスして楽しんでいるという事実を意識化し、特別な関係であると認識させることを誘発している
-共通点
「てか、謎に共通点多すぎなんだけどw合わせに来てる?w」
「そういう考え方が一緒なのなんか親近感わくわ」
→共通点を意識化し、特別な関係であると認識させることを誘発している
-共通敵(仮想敵)
「好きなことが一緒よりも、嫌いなことが一緒の方が謎に親近感湧くの不思議だよねw」
→共通敵に対して悪口を言っている事実を意識化し、特別な関係であると認識させることを誘発している
まとめると、
関係構築は、関係認識に先立つ事実を作るだけでは不十分である。
我々の認識は曖昧で、目の前の事実が何を意味してるか分からないからだ。
そこで、関係認識トークによって、
「〇〇をしてしまっているということは特別な関係である」という認識を誘発する必要がある。
こうして関係構築の度合いが高まった段階で打診へと移行する。